実家の断捨離 ~父の場合~
「~事のはじまり~」にも書いたように、
うちの父は、私の薦めに従って、すぐに本を読み、
断捨離に着手した人です。
根っからの仕事人間で、趣味も無い。
着道楽でもないから、さぞかし荷物は少なかろうと。
違いました…
妻と娘2人の女性パワーに負けて
居場所のない父が、自分の存在を蓄えた場所。
そこは、ガレージ。
壁面に巾4メートル以上の巨大な棚をしつらえ、
びっしりと荷物を置いていました。
おびただしい量の、日曜大工道具。
何丁もの錆びたノコギリ、ペンチ、トンカチ
私「これなに?クギをおしゃれ収納?
クギCafe?」
父「」
大工さんが使う、ノミ、カンナ、墨つぼ…。
(父は建設会社の「営業マン」でした)
家を作った時の床材の端材、木材の端材
予備の軍手も、湧き出てくるように見つかりました。
それと、新品で箱も開けていない工具。
製図道具、図面
40号ぐらいある、アイヌの木彫りの額
50号ぐらいある、油絵
なぜか、唐傘2張。
そして、これは父の荷物というわけではないけど
私達が父に「捨てといて~」と無責任に押し付けて
そのまま曖昧になっている、ゴミたち…。
家中で最も、大量のゴミを吐き出したガレージ。
そこに見えたのは、
一人で家族を必死に支えてきた、その反動の大きさ。
やる場ない、負のエネルギー。
そして、営業マンだった父の
捨て切れなかった、物づくりへの憧れ。
忙しかったり、疲れたりで
日曜大工をやることは、ほとんどなかったけど
私が小学校に上がるとき、
かわいい緑色の引き出しを作ってくれたっけ。
この日の私は、
男になった気持ちで、汗まみれホコリまみれ
顔を黒くして、力仕事に没頭しました。
たくさんの父の思いを感じながら…。
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